孤独死を減らす仕組みづくり
見守りサービスの活用とその可能性
65歳以上の単身世帯は2023年855万3000世帯、2043年頃の予測値は1084万世帯です。
近年、単身高齢者の増加に伴い、社会的な課題として「孤独死」のリスクが注目されています。
特に都市部では、高齢者が誰にも気づかれずに亡くなり、発見まで数日を要するケースが後を絶ちません(特殊清掃が必要になるまでの日数は、高温多湿で平均2~3日)。
こうした事態を未然に防ぐには、日常的な安否確認や見守り体制の整備が不可欠です。
今回は、私自身が行政書士・宅建士としての視点から、空き家や賃貸物件の管理、相続や遺言の相談を通じて感じる「孤独死予防」に有効な仕組みについてご紹介します。
LINEを活用した見守りサービス「エンリッチ見守りサービス」
最も手軽に導入できるのが、LINEを活用した見守りサービスです。中でも注目されているのが「エンリッチ見守りサービス」。これは数日おきにLINEメッセージで安否確認を行い、返信がなかった場合に事前に登録された家族や管理者に通知が届く仕組みです。
このサービスの大きな特徴は、個人利用が無料であること。高齢の親を遠方で見守りたいという熟年世代の方にもおすすめできます。また、賃貸物件のオーナーが入居者に案内することで、入居者の安心感につながり、空室対策にもなります。
自治体の緊急通報システム
多くの自治体では、独居高齢者などを対象に「緊急通報システム」を提供しています。
これは、センサーを家の中(例:トイレやリビング)に設置し、一定時間反応がない場合に自動的に安否確認の連絡が行く仕組みです。
東京都、千葉県の市区町村の多くで採用されています。
対象者の要件(65歳以上で要支援・要介護認定者など)は市区町村ごとに異なるため、確認が必要ですが、設置費用や利用料が無料または安価で提供されている場合が多く、積極的な活用が望まれます。
株式会社GDBL(東京電力パワーグリッドが筆頭株主)の「らくもり」
近年注目されているのが、電力会社と連携した見守りサービスです。
電力の使用状況を遠隔で確認し、一定時間電気の使用が見られないと自動で通知が送られる仕組みです。
これは設備の追加設置が不要な場合もあり、自然な日常生活の中で安否を把握できるという利点があります。
郵便局の「みまもりサービス」
日本郵便が提供する「みまもりサービス」では、配達員が月1回訪問して安否確認を行い、報告書を家族に送るサービスを展開しています。
人の目による確認という点で安心感があり、遠方に住むご家族にとっては非常に心強いサービスです。
また、定期的な訪問があることで、詐欺被害の抑止効果も期待されています。
頻度が少ないと感じられる場合はみまもり電話サービス(自動音声による体調確認に続けて応答が無いとご指定の連絡先に通知)と併用することも可能。
併用で月額3,600円程度、詳しくは郵便局へお問い合わせを。
まとめ
孤独死を防ぐためには、「つながり」を可視化し、仕組みで補うことが重要です。行政・民間を問わず、利用できる制度やサービスを上手に活用することで、安心して暮らせる環境を整えることができます。
私たち行政書士や宅建士も、こうした情報を発信し、空き家や賃貸物件の管理、また高齢者の財産・住まいに関する課題解決の支援役として、社会に貢献していきたいと考えています。
ご家族のために、あるいはご自身の将来のために、いま一度「見守りの仕組み」を検討してみてはいかがでしょうか。

